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PortoFolio@STUDIO ZEST | つくばの建築設計事務所

つくばの建築家のポートフォリオ展示室

■Portofolio_0008 「みんなで創る建築」 

Title: 「みんなで創る建築」

STUDIO ZEST 主宰/一級建築士 松 崎 シ ン イ チ



photo:松崎シンイチ
 築60年の建物を取り壊して、新たに建築しようという時に、クライアントの父親からこんな話を聞きました。取り壊し予定の建物についての話ですが、当時小学生だった父親は、床柱を蝋で磨かされたのだそうです。その他、作っている様子を見ていた時の話や、当時は子供部屋などなかったけど、お気に入りの場所が小屋裏に床を張ったところで いつもそこが自分の居場所になっていたなんて話も聞かせてもらいました。

 8帖の茶の間は、鴨居がケヤキで 300?の高さで四方を囲っていましたが、それは自慢のご様子で 何度か同じ話を聞いたものです。60年前はみんなで作っていたことを再認識しながら聞いているうちに、ここでも取り入れられないかと考えるようになりました。当時と同じというわけにはいきませんが、「現代版 みんなで作る建築」の始まりです。ここでは、そのことをまとめたポートフォリオをご紹介したいと思います。

 まず、私にはアイデアがありました。それは 他力本願ではありましたが、いいアイデアと思えるものでした。「洗面ボール作り」です。形式的に作らせたってだけでは、単に建築家の自己満足、自画自賛になってしまうので、子供本人の反応を見て判断することにしました。子供は「作りたい!」と即答しているとの連絡をもらいました。そこで早速、知り合いの陶芸家に相談してみたところ、興味を示していただき、快諾していただきました。


 夏休みを利用して、4個のボールを作ることにしました。ただ、直径400?程のボールはカタチを作るのは小学2年生には難しいだろうとのことから それは先生にお願いすることにして、子供には思いっきり好きな絵を描いてもらうことにしました。写真は1個目の製作の様子です。粘土の感触や道具の使い方に慣れるまで 練習用の粘土に向かって 試行錯誤を繰り返した後、いよいよ自らが「もう作る!」と言って製作が始まりました。

 まずは、トイレの手洗い用の少し小さいボールを作ることにしました。径240?、高さ200?程度のものです。真剣な顔で 集中して描いている姿が印象的でした。2個目以降は、次に作るボールの設置場所を伝えて、イメージを持ってくるようにとだけ話して、合計4個のボールを作り上げました。2個目を作る時、水族館で買ったお気に入りのクジラとサメの模型を持参して それを正面で母親に持たせて描いていました。2人の思い出としても残ることでしょう。

photo:齋藤さだむphoto:齋藤さだむphoto:齋藤さだむphoto:齋藤さだむ

写真撮影 齋藤さだむ


写真左から順に
■1個目:トイレ用手洗いボール。大きく描いた太陽に黄色を塗っていたのが印象的な第一作目
■2個目:2階洗面ボール。毎朝みんなが顔を洗うためのボール。周囲で一番人気の第二作目
■3個目:1階洗面脱衣室用洗面ボール。作り方にもすっかり慣れて、大胆さも現れる第三作目
■4個目:親世帯の洗面脱衣室用洗面ボール。つまり、孫からの贈り物となった第四作目



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